ノートPC用CPUのクロック周波数とBveフレームレート

はじめに

Bve trainsim開発者のmackoyさんによる、Bve trainsim 開発ノート PC スペックとフレームレートを見ると、Core i7-2600とCore i3-4130で大きな差が出ていました。CPU内蔵のGPUは設計上、メインメモリの性能の影響も出るのですが、CPU単独ではたった2,3年でかなりの差がでるとみていいと思います。IntelもAMDも今後は内蔵GPUを強化していく方向で進むようなので、ある程度のPCを買えばGPUが別に搭載されていなくてもそこそこの環境で遊べそうです。

さて、薄型化と省電力化がすすむノートPCでは、超低電圧版CPU(Intelで言えばプロセッサーナンバーの末尾にUやYとあるCPU)という、性能を抑える代わりに消費電力を抑えたCPUを搭載することが多くなってきました。
というわけで、動作周波数がどの程度フレームレートに影響するのか、動作周波数が控えめな低電圧版・超低電圧版CPUを搭載したノートPCではどのくらいのフレームレートが見込めるのかについて、いくつかの路線データを勝手に使って調べてみました。

CPUの動作周波数は電源オプションから変更ができます。ASUS製ノートPCの場合は、電源管理用のアプリがあるので自分はそっちを使いました。プロセッサの電源管理から最大プロセッサの状態という項目を操作することで動作周波数を落とすことができます。CPUの状態はHWiNFOで確認しながら設定しました。

テスト環境

今回は、OS:Windows7 Home SP1、CPU:Core i5-3210M、メモリ:DDR3-1600 4GBx2枚という環境でテストしました。内蔵GPUはIntel HD Graphics 4000でGPUコアを16個搭載しています。特に記載がない限り、Bve5は2015年1月25日公開のバージョン5.6.5503.37333、各路線データは2016年1月上旬時点での最新版で測定しています。

記録を見る際の注意

駅停止位置でのフレームレートはどのグラフも一番低い数値で記録しています。多くの場合、この数値+1~2ほど上の数値とを行き来しています。駅間走行時のフレームレートは区間走行中に数秒間低下した箇所での数値を記録しています。そのため、発駅と着駅のフレームレートを直線で結んだような変化をしつつ、あるポイントで一瞬フレームレートが低下することもあります。
…それじゃああてにならないと言われればその通りとしか言えません^q^;

A.京成千葉線編

Bve公式サイトで配布されている京成千葉線と京成3500形での計測結果です。

1.CPU動作周波数1.2GHz

まずはCPU動作周波数を1.2GHzに固定した上で、Bve5を横800px縦600pxのウィンドウモードの設定として描画距離毎の違いを調べました。描画距離を2000mに設定しても十分動きます。

1.CPU動作周波数1.2GHzでのフレームレート
みどり台停止位置 みどり台~西登戸 西登戸停止位置 西登戸~新千葉
600m
60fps
600m
57fps
600m
60fps
600m
60fps
1000m
50fps
1000m
48fps
1000m
52fps
1000m
45fps
1200m
45fps
1200m
43fps
1200m
45fps
1200m
41fps
2000m
29fps
2000m
28fps
2000m
30fps
2000m
30fps
新千葉停止位置 新千葉~千葉 千葉停止位置
600m
60fps
600m
60fps
600m
60fps
1000m
54fps
1000m
54fps
1000m
58fps
1200m
45fps
1200m
49fps
1200m
52fps
2000m
34fps
2000m
34fps
2000m
38fps

2.描画距離2000m

先の測定で、描画距離を2000mにしてもかなりのフレームレートを叩きだすことがわかったので、今度は描画距離を2000mに固定して、CPU動作周波数1.2GHz、1.6GHz、2.0GHz、2.4GHzでの結果を記録しました。2.4GHzともなるとフレームレートがBveの限界60fpsに達していました。

2.描画距離2000mでのフレームレート
みどり台停止位置 みどり台~西登戸 西登戸停止位置 西登戸~新千葉
1.2GHz
29fps
1.2GHz
28fps
1.2GHz
30fps
1.2GHz
30fps
1.6GHz
40fps
1.6GHz
37fps
1.6GHz
40fps
1.6GHz
41fps
2.0GHz
51fps
2.0GHz
46fps
2.0GHz
50fps
2.0GHz
46fps
2.4GHz
60fps
2.4GHz
56fps
2.4GHz
60fps
2.4GHz
51fps
新千葉停止位置 新千葉~千葉 千葉停止位置
1.2GHz
34fps
1.2GHz
34fps
1.2GHz
38fps
1.6GHz
45fps
1.6GHz
47fps
1.6GHz
50fps
2.0GHz
55fps
2.0GHz
59fps
2.0GHz
60fps
2.4GHz
60fps
2.4GHz
60fps
2.4GHz
60fps

京成千葉線編まとめ

千葉駅周辺のストラクチャを描画する関係なのか、それとも他列車の関係なのか、西登戸~新千葉間でフレームレートが下がりやすい傾向がありました。しかしそれも一瞬のことなので、前面窓を過ぎていく電柱をじっと観察でもしない限り気にならないと思います。もっと大きな解像度での運転も十分できると思いました。

B.国鉄東海道本線南局上り編

ストラクチャの数が増える複々線データは重くなる傾向があります。そこで、高橋うさおさん作国鉄東海道本線でも計測しました。車両はRock_Onさん作113系です。

描画距離1000m

描画距離600mでは易々とBveの限界を超えるので、描画距離1000mと設定を重くして計測しています。京成千葉線と同じく、横800px縦600pxのウィンドウモードでの結果を記録しました。

1.描画距離1000mでのフレームレート
国府津 国府津~二宮 二宮 二宮~大磯
1.6GHz
55fps
1.6GHz
57fps
1.6GHz
59fps
1.6GHz
60fps
2.0GHz
60fps
2.0GHz
60fps
2.0GHz
60fps
2.0GHz
60fps
2.4GHz
60fps
2.4GHz
60fps
2.4GHz
60fps
2.4GHz
60fps
大磯 大磯~平塚 平塚
1.6GHz
60fps
1.6GHz
49fps
1.6GHz
52fps
2.0GHz
60fps
2.0GHz
55fps
2.0GHz
60fps
2.4GHz
60fps
2.4GHz
60fps
2.4GHz
60fps

国鉄東海道本線南局上り編まとめ

フレームレートが落ち込んだのは他列車が近くを通過しているときでした。特にCPU動作周波数を下げていると他列車通過時に下がりました。移動する音源(Sound3D)の処理がきついのかもしれません。大磯~平塚間は併走する貨物列車に加えて、対向列車や相模貨物駅、これにつながる平塚駅への線路などが同時に来るので負担が掛かるようです。

中央・総武緩行線編

東海道線に続き、nichikaさん作中央・総武緩行線の総武線です。多数の他列車が行き来し、線路などのストラクチャが多くなる複々線でどのくらい動くのかフレームレートを測定しました。車両はKazumaさん作E231系総武緩行線仕様です。

描画距離1000m

駅間のフレームレートはある場所に向かって低くなっていき、通過するとまた戻るというような動きをしているので、以下のグラフに挙げた数値でずっと走行するわけではありません。

1.描画距離1000mでのフレームレート
平井 平井~新小岩 新小岩 新小岩~小岩
1.6GHz
43fps
1.6GHz
30fps
1.6GHz
26fps
1.6GHz
42fps
2.0GHz
54fps
2.0GHz
36fps
2.0GHz
39fps
2.0GHz
45fps
2.4GHz
60fps
2.4GHz
42fps
2.4GHz
46fps
2.4GHz
60fps
小岩 小岩~市川 市川
1.6GHz
45fps
1.6GHz
23fps
1.6GHz
60fps
2.0GHz
54fps
2.0GHz
28fps
2.0GHz
60fps
2.4GHz
57fps
2.4GHz
35fps
2.4GHz
60fps

中央・総武緩行線編まとめ

小岩~市川間の鉄橋通過が一番フレームレートが低くなるものの、その後は再び元に戻っていくように駅間のフレームレートはかなり激しい動きをしていました。

結論

自分の普段のプレイ環境はディスプレイがHD解像度ということもあり、横980縦700程度、描画距離は地上路線で1kmと設定していますが、明らかに重いと感じる路線は無いと思います。新しくパソコンを買うならデスクトップ型にしたほうがいいのは確かですが、そうはいかない人もやはりいると思うのでこのページを作りました。
2012年出荷のPCで作られた情報が本当に役に立つかどうかは…^q^;